が女友達と彼氏らしき男と一緒に現れた

何だよ・・・・一人じゃないのか?

俺のこころの中の声は・・・もちろん言葉には出さなかった
ただ、サングラスでかくされた俺の表情が曇ったのは正直なところ
近づいてくるは、そんな事実なんて全く気づかずに笑顔だった

その笑顔が俺以外の人へ向けられていることに
俺がくだらない嫉妬を覚えていようとも
そんなことをに気づかせてはいけない


「珪くん、おまたせ!」
「ん・・・」

「あ、紹介するね、同じ大学のお友達なの吉永さんと金城くん」
「吉永さよりです、初めまして」
「金城です、よろしく」

紹介された二人は俺のほうを興味津々と言う顔で眺めているのがわかった
は俺と「友人」二人を見合わせて・・・少し困ったような顔をした


「えっと、高校の頃の同級生なの、葉月くんです」

俺たちが付き合っていることは・・・公にはしていない
それが俺の側の理由であることは明白で・・・
は俺を「同級生」というしかなかったんだろう・・・


「・・・どうも」
「本物の葉月珪なんだ〜、びっくり」
「何言ってるのよ、さよちゃんは、もぉ」

が吉永という女の背中を叩いて、俺たちはチケットブースのほうへ移動した

と俺は高校を卒業して別々の大学へ通っている
俺は家から一番近い一流大学
は・・・二流大学に進んでいた

俺は・・・自分だけ部外者であるこの状況を面白く思わなかった
もちろん、二人で映画を観るものだとばかり思っていたから尚更だった

けれど、やっぱり帰るなどということは子供じみていてさすがに出来ない
俺が帰るといったら、友人がいる手前、が困るのは目に見えているからだ
俺は黙って3人の後ろを歩くしかなかった

金曜といっても中途半端な時間の映画館は人影もまばらだった
女二人は連れ立ってチケットブースの電工掲示板を眺めていた
すると、立ち止まった男が俺を振り返り、こう言った


「同じ高校だって言うのはから聞いてたけど、まさか来るとは思わなかったな」


この男・・・・なんでのことを名前で


「・・・・」
とはただの同級生なんだろ?」

「・・・どういう意味だ?」
「まあ、そんなに怖い顔しなくても」

金城という男は、にやりと笑った
俺はこの場が映画館で無ければ・・・この男の喉元をつかんでいただろう

の女友達とその彼氏

俺がそう思ったこの二人は、どうやらそういう関係ではなく
の言葉通りならば、ただの「友達」なのであろう

けれど、あけすけに俺に対して挑発するような言葉をかける男の
頭の中にあること・・・それは考えるまでも無い


「ねぇ、映画どれにする?」
「どれでもいいよ、君たちが気に入ったので」

金城は俺に向かうときとはまるで違う口調で女たちに笑顔を向けた

スリムのジーンズに・・・ただの白いポロシャツを着ただけ
そのどちらもが・・・一流ブランドといわれるロゴ入りで
シャツの中の身体が、鍛えられた筋肉を感じさせていた

どうみても、何かスポーツをしていそうな雰囲気で
それでいて、遊びなれた様子が見え隠れしていた

俺は・・・久しく持っていなかった気持ちが
心の中に湧き上がるのを感じていた


「珪くんは?」
「俺は・・・おまえにまかせる」

に任せる
その言葉で、が俺の気持ちを受け止めてくれることを俺は期待していたのかもしれない

「それじゃ・・・」



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